葉がハート型で美しく、丈夫で育てやすい人気のポトス。耐陰性で弱い光でも育てられ、管理のしやすさから初心者にもオススメの観葉植物です。
そんな丈夫なポトスですが、育てていると様々なトラブルが発生したりします。
よくあるトラブルの中で、葉が黄色くなり、次第に枯れてきてしまうことがあります。
今回は、ポトスの葉が黄色くなる7つの原因と対処法をご紹介します。
ポトスの葉が黄色くなるのはなぜ?
そもそもポトスの葉の色が、緑色から黄色に変色するのはなぜでしょうか?
ポトスの中で何が起きているのでしょうか?
ポトスに限らず、植物には光を吸収して光合成をするための「葉緑体」という器官があり、その中に「葉緑素(クロロフィル)」という色素があります。
子供の頃、学校で習いましたよね。
光合成とは植物が太陽光のエネルギーを吸収し、水と二酸化炭素から炭水化物を化学的に合成することで、植物が植物としての活動をしていくための必要な機能です。
その中心的役割を果たしているのがクロロフィルです。
そして、このクロロフィルがあるから葉は緑色に見えます。
簡単に説明すると、クロロフィルは光合成のために太陽光に含まれる赤色と青色の光を吸収し、それ以外の光は透過または反射させます。
物の色は透過色や反射色で見られ、葉の色は赤と青以外の緑色に見えています。
つまり、葉が黄色くなってしまうということは、緑色に見えるクロロフィルが減少してしまっているという意味を表します。
クロロフィルが減少してしまうと、ポトスは光合成ができなくなり、弱くなり次第に枯れてしまいます。
葉はポトスの健康状態のバロメーターともいえます。
ポトスの葉が黄色くなるということは、調子が良くないというサインなのですね。
他にポトスの葉に黒い斑点が現れても要注意です。
ポトスが病気に感染している可能性がありますので、気をつけましょう。
ポトスの葉が黄色くなる原因と対処法
ポトスの葉が黄色くなる原因は色々とありますが、主に7つあります。
その対処法も一つ一つご紹介していきます。
原因①水のやり過ぎ
最も多い原因が水のやり過ぎです。
ポトスが可愛くて気になって、ついつい水をあげ過ぎてしまいがちですが、水をあげ過ぎると根腐れを起こし、葉が黄色くなることがあります。
根腐れを起こすと、土からの水や養分を吸収することができなくなってしまいます。
ポトスは熱帯雨林が原産地で乾燥に弱い植物ですが、だからといって頻度を多くしてはいけません。
水は土の表面が乾いたことを確認してから与えましょう。
季節にもより、春夏なら2〜3日に1回、秋冬なら週に1回程度が目安です。
原因②日照不足または過剰
ポトスは耐陰性があるので、日光が当たらなくても室内の蛍光灯や電球の明るさがあれば育ちます。
しかし、窓がなく常に明かりをつけないような場所、たとえばトイレやお風呂などでは、日照不足で光合成ができなくなり葉が黄色くなる場合があります。
置く場所を移動させるか、1週間のうち3〜4時間ほど日光浴させましょう。
また、強い直射日光に当たると葉焼けを起こす可能性があります。
葉焼けは茶色くなることが多いですが、黄色になることもあります。
特に夏場は直射日光の当たらない明るい場所か、レースカーテンなどで光を遮るようにすると良いでしょう。
原因③環境変化
急な環境変化でも葉が黄色くなることがあります。
よくあるケースとしては、室内で育てていたポトスを屋外に出して、また夜にしまうなどを繰り返したり、長期間半日陰で育てていたものを日当たりの良い場所に移動させたりなど、環境をいきなり変えると葉が黄色くなることがあります。
また、お店で買ってご自宅に持ってきた場合も、お店とご自宅の環境の違いで、ポトスの下の方の葉が数日で黄色くなってしまうこともあります。
ポトスは環境にだんだん適応していきます。
適応しきったポトスが一気に環境の違った場所に移されると、大ダメージを受けます。
これはポトスが受けるストレスで、生理障害とも言えます。
環境をガラリと変える場合は、上記のことを頭に入れて、温度や光の量を徐々に慣らしていくことが大切です。
原因④低温障害
ポトスは熱帯雨林が原産地で暑さには強いですが、寒さには弱い植物です。
そのため、低温時はダメージを受け、葉が黄色くなることがあります。
屋外で育てている場合は、晩秋頃から室内に移した方が良いですね。
部屋の隅や窓際も夜間の低温でダメージを受けることもあるため、気を付けましょう。
原因⑤根詰まり
根詰まりとは、小さな鉢で育てている場合や何年も植え替えていないなどで、鉢の底の方で根がいっぱい渦巻いてしまい、根がうまく水分や栄養分を吸収できない状態になっていることです。
根から水や栄養分が上手く吸収できなければ葉にも行き渡らないため、黄色く変色することがあります。
根詰まりの対処法ですが、植え替えをしていないのであれば、ぜひ植え替えを行って下さい。
または、鉢から一度出して根の整理をし、新しい土を入れると良いでしょう。
植え替える場合の目安ですが、1サイズ大きな鉢に変え、2〜3年でまた植え替えることをお勧めします。
原因⑥水不足
ポトスの葉が黄色くなる一番多い原因が水のやり過ぎでしたが、水不足(水のやらなさ過ぎ)も原因になることがあります。
その特徴として、新しい葉は元気なのに下の古い葉が黄色くなって枯れることがあります。
これは、成長の勢いがある新しい葉に優先的に水や栄養が流れていく植物の生理現象です。
また、ポトス全体がみずみずしさがなくなり、しんなりとしてきます。
対処法は水やりを見直すことで、土の表面が乾いたらしっかり水を与えましょう。
原因⑦肥料不足
水やりはするけれど、肥料を与えたことはないという方はいらっしゃいませんか?
特に鉢植えで植え替えもせず何年もそのまま育てている場合、先ほどお伝えしました根詰まりもありますが、肥料不足が原因で葉が黄色くなることもあります。
葉に含まれるクロロフィルの形成に必要な栄養分の不足で、クロロフィルの量が減り、黄色くなってしまうことがあるのです。
購入した際に入っている肥料も水やりの度に少しずつ溶け、やがてなくなってしまうため、肥料も定期的に与えて下さい。
ちなみに、肥料には下記の3つの成分があります。ご参考にして下さい。
チッ素・・・葉の成長を促す
リン酸・・・花や実の成長を促す
カリ・・・根の成長を促す
ポトスは葉の成長を促すチッ素と根の成長を促すカリが必要ですね。
黄色くなったポトスの葉は元に戻せるの?
残念ながら、黄色くなったポトスの葉は元に戻りません。
放っておくと、カビが生える原因にもなってしまいますので、黄色くなった葉はハサミで切り取りましょう。
そして、原因を考え対処していきましょう。
ポトスは生命力の強い丈夫な植物です。
原因を見つけ対処していけば、またつややかな緑の葉をつけ楽しませてくれるでしょう。
まとめ
ポトスのよくあるトラブルの中で、葉が黄色くなる原因と対処法についてご紹介しました。
葉が黄色くなってしまうのは、緑色に見えるクロロフィルがなんらかの原因で減少してしまうことで起こっています。
葉はポトスの健康状態のバロメーターで、葉が黄色くなるということはポトスの不調のサインですから、気付いたら早めに適切な方法で対処してあげたいですね。
観葉植物の中でも初心者でも育てやすい人気のあるポトス。
今では様々な品種が出ていますが、葉が黄色くなる原因はどの品種もほぼ同じです。
この記事を参考にして、元気なポトスを育てて、鑑賞を楽しんでいただけたらと思います。
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